■ 早期教育は危険? 
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新生児の脳の重さは誕生から最初の3年間で約3倍以上に増えるから、
このころまでに学習して脳に刺激を与えれば、効果が高いと言われています。
脳は若いときほど柔軟でいろいろな知識を吸収する力を持っているのです。
そこで「幼稚園では遅すぎる」という言葉が早期教育ブームに火を付けました。
一時期、子供がまだ赤ん坊のうちから、英語などを習わせる早期教育が盛んになったのです。
でもこれはちょっと危険なようですね。
脳にはシナプスという脳細胞同士を繋ぐ連絡網があります。
「シナプスの過形成と刈り込み」といって、脳にはシナプスの量を多めに形成し、
後で不要なシナプスを刈り込むというシステムが存在しているのです。
『赤ちゃんと脳科学』という本によると、
過度な刺激を与えすぎると、シナプスの刈り込みに支障を来たし、
システムのバランスが崩れてしまうというのです。
例えば、外国語は子供のときの方が身に付きやすいです。
子供の頃海外で生活していた人は、二カ国語を操るバイリンガルになります。
そこで、じゃあ我が子もバイリンガルにしようと、幼児の頃から英語を習わせると、
とんでもないことになりかねないのです。
私たちはふだん日本語を使って物を考えていますよね。
「昨日は魚を食べたから、今晩の食事は肉にしよう」とか……
「あのスーパーは日曜日になると割引セールをするから、日曜に買いだめしよう」とか(笑)。
このように思考するとき英語を使ったりはしないはずです。
でも、言語習得の臨界期となる小学生までに、
日本語と外国語の二重言語で生活すると、
日本語が母国語だというアイデンティティーが確立できなくなるのです。
つまり、どちらの言語で思考したら良いか混乱するようになってしまい、
物事を深く考えることが難しくなるのですね。
言葉は思考の道具であり、母国語が確固としていないと、思考能力が身に付かないのです。
最近の脳科学、発達行動学の知見により早期教育ではなく、
「普通の育児」が大切であることがわかってきています。
早すぎる詰め込み教育は、
子供の脳にどんな影響を及ぼすかわからないのでやめた方が良いです。
■ ゲーム脳は本当? 
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テレビゲームをすると、脳の司令塔である前頭前野の働きが低下して、
すぐにキレる社会に適応できない人間になってしまうというゲーム脳という問題が、
日大大学院の森昭雄教授によって提唱されました。
でも、これは検証不足、偏見から来るトンデモナイいいがかりだという議論が起きました。
テレビゲーム、パソコンゲームに関しては、
頭ごなしに危険なモノ、排除すべきモノという偏見を持った人たちがいます。
そういったゲームに害があることを望む人たちにとっては、
バッシングの格好の材料だったので、ゲーム脳という言葉は瞬く間に広がりました。
一方、ゲームファンは、これに猛然と反撃しました。
このためゲーム脳論争は過激に発展して、
一体どちらが真実なのか見分けるのが難しくなっています。
真実の追究と言うより、自分たちの意見のごり押しという形になっているのですね。
ゲームに対する偏見によって、不快な思いをしたゲームファンがたくさんいる一方、
森昭雄教授には数多くの嫌がらせが行われました。
ただ私もゲーム脳に関してはかなり懐疑的です。
やはり、ゲームに対する無理解から来る偏見が強い意見だと思われます。
私もゲームファンなので(笑)。
しかし、ゲームやテレビが人間の脳に対してどのような影響を与えるかは、
まだまだ詳しく分かっていない部分があり、
ゲームが有害なのか無害なのかは、完全な決着がついていません。
どういうことなのか、双方の意見を紹介していきましょう。
森教授が提唱している、ゲームが脳の機能を低下させるのは、次のような仕組みです。
目から入った情報は視床を経て、後頭部にある視覚野という部分に伝わります。
ここから思考などを司る前頭部の前頭前野に情報が伝わり、
ここで意志決定が行われ、命令が運動野に行きます。
そして、運動野からの情報が脊髄を通って手足を動かします。
これが外界からの刺激を受けて行動する人間のメカニズムです。
ところが、ゲーム脳タイプの人になると、視覚野に入ってきた情報は前頭前野に伝わらず、
直接運動野に伝えられるようになるというのです。
これは「敵が現われたとき、いちいち考えずにすぐに手がコントローラーを操作する」
という状態に近いそうです。
この状態が長く続くと、前頭前野が使われなくなり、活動がどんどん低下するらしいです。
使われなくなるから当然、思考能力は落ちていきます。
前頭前野はモノ考えるのに使われるだけでなく、感情を抑え、
人間的な理性をコントロールするする役割も持っています。
前頭前野が働かなくなれば、人間は感情的になり、いわゆるキレやすくなるというのです。
また、森教授は講演で
「テトリスはソ連の軍隊で人を殺すための教育の一つとして開発されたもの」
「ゲーム脳は痴呆症患者以下になる」
「ゲーム脳の少年はホームレスを襲うのが平気になる」
といった、ゲームを敵視した過激な発言をしています。
ゲームが脳に悪影響を与えるかもしれないというのは、まだわかるのですが、
ここまで来ると偏見、言い過ぎだと思いますね。
実際に、私はゲームをしていますが、ホームレスを襲うのが平気になったことなどありません。
これに対して、当然、反対意見があがっています。
東北大の川島隆太教授は、
「リズム・アクション系のゲームですと右脳は活性化されますし、一部のロールプレイング・ゲームでも前頭葉の活性化が認められています。」
と語っており、テレビゲームの一部は脳にとって良い影響をあたえることを認めています。
「ひきこもり」研究の第一人者として知られる斎藤環も、ゲーム脳に対して反論しています。
森教授が出版した『ゲーム脳の恐怖』の脳についての知識が間違っており、
あきらかな理論の飛躍があるというのです。
以下、斎藤氏の『ゲーム脳の恐怖』に対する書評を引用します。
・「α波のような大きくてゆっくりした波(高振幅徐波)の場合は」「低振幅(小さい波)のβ波は」(五五頁)
α波は特殊な場合を除いては正常な脳波で、いかなる場合でも「徐波」とは呼ばれません。
α波とβ波は周波数の違いで区別されますが、振幅は電位の問題ですから、
高振幅か低振幅かはα、βとはまったく関係ありません。
このように、脳波の初心者向け教科書の第一頁目に書いてあるようなところで、
この本はミスをおかしているのです。
これに続く脳波発生機序についての説明もほぼデタラメです。
発生機序はまだ不明ですが、反回抑制ニューロンうんぬんというくだりは、
著者が主要な仮説を調べもしないで、
よくわからないまま書きとばしていることを証明してあまりあります。
・問題になっている「痴呆ではβ/α値が低い」という新(珍)説(六六頁)は、
森さんが独自にとなえている説で、痴呆の臨床医にとっては事実ではありません。
つまり森さんの論理は自前の新説と新説をくっつけるというアクロバティックな展開になっていて、
まともな学問的には大いに問題があります。
以上引用終わり。
SF作家の山本弘氏も、森教授の研究の間違いを指摘しています。
「ゲームやってる間の脳波が、痴呆者の脳波によく似てるということなんだけども、
アルファ波が増えてベータ波が減る状態というのは、別にそういう人じゃなくても、
普通の人間がリラックスしてもそうなるんですよ」
森教授は、脳波という専門用語を使って無理やりゲームは悪いものだと強調しており、
ゲーム脳は痴呆症患者以下になるというのは、明らかに間違いというわけです。
書籍『ゲーム脳の恐怖』の論理的な破綻ぶりは、他の大勢の人たちから指摘されており、
森教授の研究に、いくつかの誤りがあるのは明らかなようです。
ちなみに個人的意見なのですが、
ゲーム・テレビ・パソコンに囲まれた状態での子どもの成長をきちんと調べるべきだという
森教授の考えは間違ってないと思ってます。
テレビに子守をさせると、幼児の発達が遅れるという研究もありますし、
ゲームやテレビが本当に無害なのかどうかは、わかっていません。
ただ、森教授の研究は、ゲームは有害だという主張を通すために行なわれており、
そのための理論の飛躍、間違った知識のごり押しなどをしている点がフェアではなく、
客観的な研究が待ち望まれます。
■ 脳の疲労に注意 
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現代社会では、身体を使う仕事より頭を使う仕事が増えたため、疲労の兆候を見逃しがちです。
身体が疲れてくると、もうだめ〜〜、と無理にでも休息しないと動けなくなりますが、
脳の疲労というのは、身体の疲労より自覚しにくいので注意が必要です。
例えば、今私はサイト作りのために文章を打っているのですが、
ず〜〜と、この作業を繰り返していると、いつしか疲れてきて、
やる気が衰え集中力や注意力が落ちてきて、作業の効率が低下します。
でも身体は動かしていないので、傍目には疲労しているようには見えません。
私自身も、そんなに疲れたという自覚を感じないので、ついつい無理をしがちです。
このため現代社会では、パソコンを長時間使うことで起きる頸肩腕症候群や、
眼精疲労など、局所から全身に広がるタイプの疲労が増えてきています。
疲労は放っておくと慢性的になり、知らない間に過労・病気のプロセスを経るので、
作業の合間には必ず休息を入れて、脳を休めることが大切です。
例え職場で倒れたり過労死にいたらなくても、
疲労すると倦怠感を感じたり集中力が落ちたりするので、
思いもかけない事故を起こしてしまう危険があります。
実際に、過労や睡眠不足が原因となって引き起こされた交通事故というのはたくさんあるのです。
どんなにがんばって仕事しても、事故を起こしてしまったのでは、努力が水の泡ですよね。
また嫌々ながら仕事をしたり、せっかくがんばっても結果が悪かったりすると疲れが倍増します。
逆に、好きなことをしていたり、成果が良かったりすると疲れは余り感じませんよね。
勉強をするとなると1時間くらいで疲れて止めたくなりますが、
好きなゲームなどをプレイするとなると、一気に3時間くらいはぶっ通しに遊んでしまいます(笑)。
脳が感じる疲労は主観的なもので、同じ頭を使うことでも、
どんな作業をするかによって疲労度というのはかなり変わってくるのですね。
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